由紀先輩の優しさに触れたせいか、なんだかおかしく感じる。


少しパニック状態の私をよそに、由紀先輩は続ける。


「悩むなとは言わないけどさ、少しは俺を頼ってよ、ね?」


私は、単純で馬鹿で、アホで馬鹿で馬鹿な能無しかもしれない。


だって、今由紀先輩にどきどきしてる…。



「……あれ」

由紀先輩の隣に立っていて、少し感じたことがある。


由紀先輩、背、伸びた…?


1年生として入学してきた頃は、そんなに変わらなかったはず。


そして綺麗な顔立ち。


部活の時だけしている黒縁眼鏡が似合っている先輩。


今日は、色んなことがありすぎた1日だと思う。