それから癒月は泣きながらひたすら謝り続けた。
下校時刻が過ぎていたので先生に追い返される前に、近くのカフェへ私と由紀先輩、癒月と蒼くんで移動した。
そこで癒月は全部話してくれた。
蒼くんとは付き合ってはいなければ好きでもないと言う。
ただ、私を傷つけたかったらしいのだ。
靴を隠したのもそれが理由らしい。
そして、私を傷つけたかった理由が、
「私はっ、岸谷先輩が好きだったからっ」
とんでもなく驚く発言をした。
由紀先輩のことを名前で呼ぶ私が羨ましかった、由紀先輩に教えてもらえる私がズルかった、由紀先輩と仲のいい私が許せなかったらしい。
事は全て、由紀先輩のことを好きが故に起こったことだった。
蒼くんはとても驚いていたけど、由紀先輩は表情1つ変えずにポーカーフェイスを保っていた。
そして私の中でいくつかのピースが頭の中で繋がった。
由紀先輩を真っ直ぐ見つめていたのは、好きだったから。
好きな人の事をここまで思える癒月が、少し羨ましく思えた。
まあ、加減というものはあるけれど…。

