先輩の背中を追いかけて。


「あれ?」

階段を降りてる途中に由紀先輩と偶然会い、靴箱まで2人で降りてきた直後の話だ。


自分の出席番号と靴箱に書いてある出席番号を何度も見直した。



だけど、そこは私の靴箱だった、けど…


「嘘でしょ…。靴がない」


履いてきたはずのローファーの姿が見当たらない。



「七瀬?どうかしたの?」

「由紀先輩…あの、」

「ん?」

「靴が、なく…て…」


苦笑いで由紀先輩に微笑むと、さっきまでの優しい笑みが段々と真顔になってくるのがわかる。



「履いてきたの?」

「え?」

「靴」

「は、履いてきましたよっ!」

「だよね」



こんな時でも安定の天然だな、由紀先輩は。



まあ、そういうのも可愛いと思うけど…。