私が蒼くんに失恋して早1ヶ月。

失恋の傷ももう塞がってきた。


友達やお兄ちゃんが慰めてくれたりしたおかげかもしれないけど、1番の支えになってくれたのは、





「七瀬」

「…由紀先輩?」




由紀先輩だ。




あの日から由紀先輩は、私のことを"七瀬"と名前で呼ぶようになっていた。


理由を聞くと、「桐山さんより七瀬の方が親近感わくでしょ?」と、今更なことを言ってきた。


まあ、拒否する理由もないので私はなにも言ってはいない。



部活帰りには2人で帰ったり、休みの日はどこかに寄り道して帰ったりと、それなりに充実した日々を送ってきていた。



そして、気づいたことがある。



「今日も部活ないでしょ?一緒に帰ろう」

「はいっ!」



私はこんなにも嬉しいのに、由紀先輩は時折切ない表情をする。


まるで、誰かを想うみたいに切ない顔を…。