「七瀬ー、凛斗ー、休憩終わりだよー」


踊り場の鏡越しに目があった人物。


それは私が今1番合いたくない人だった。




「癒月……」


癒月は一瞬目を細めてから凛斗くんに視線を移し、



「邪魔してごめんなさいね、まあ休憩は終わるから」


わざとらしく微笑んで去って行った。



癒月なの?あれは。


さっきの態度と朝の態度では、全然違う。


別人、みたいだった。




さっきの癒月の目は軽蔑の目だった。




「失恋したからって弟に手ぇ出す?普通」




そう言いたかったんじゃないの?