さようなら僕の死神

「なんでそんなに簡単に諦めようとする?」

「なんでそんなに捨て身なんだ?もったいないじゃないか。」


僕は自分のことが嫌いだ。こんな人間気持ち悪いと自分で思う。自分で自分を演じている気がする。素とかじゃない。素そのもの僕の人格すべて僕が演じているようで気持ちが悪い。


だから僕は自分を好けない。自分の人間性が嫌いだ。
こんな自分には興味すら持てない。

だから彼女は僕に似ている。

彼女は自分を諦めている。


「死への恐怖それを諦めようとするのか?僕と恋をすることもなんだその言い方は諦めているのか?」


彼女はゾッとした顔で僕を見ている。今の僕は彼女にとって恐怖の対象でしかないようだ。


ラブコメにはもってのほかだな。でも自分でしょうがないと思う。


今の僕怖いよね。これも含めて僕も僕に諦めている。


でも僕に愛される君は諦めてはいけない。


僕は君を好きだから、唯一好いているものだといっても過言じゃないほど。まだあったばかりの君が僕は好きです。この言葉は絶対に言わないけどね。


「僕はきっと君に殺されるだろう。それは構わない、僕は君に殺されるのなら本望だ。」


「でも君が僕のことを好いてくれる可能性が少しでもあるのなら、君と恋をするために僕は生きよう。」


「僕は、死神に殺されない。君と恋をするためなら生きて見せる。」


だって僕は××なんだから。死なないことだってできる。あれ僕ってなんなんだっけ。


やっぱり僕は僕のことなんてどうでもいい。


カチャッと何かを構える音がした。それはいつの間にか立ち上がっていた彼女が構えたそれの音だった。

君は僕をありきたりといったが君もなかなかありきたりじゃないか。


君の持っているそれは、黒い光沢、刃物の鋭い輝き、それは


まさに


死神の、彼女の鎌だった。