さようなら僕の死神

どうやら自分から、なら照れないらしいが僕から、は照れるらしい。

本人曰く、自分の想定を超えたという事実が起こることがなんちゃらかんちゃらだそうだ。
ようは恥ずかしいらしい。

足をバタバタさせて僕の腕から脱出しようとしているようだが、あいにく死神の彼女でも男の僕に力ではかなわないようだ。

かわいいからこのまま帰ろうと思う。彼女の家はよくわからないから僕の家に連れて行く。

今日は母はパートで遅くなるといっていたはずだから家には誰もいないだろう。
彼女に手を出す勇気はないけれどお茶くらいしたいなー、と小学生並みな考えを導き出す。
最近の小学生は進みすぎていると思うが。


「いい加減っ、おろせっ。」

今まで力加減をして暴れてきまのか、だんだん足をじたばたする力が強くなってきた。
つかれてなんていないようだ。足本人がこんなにも元気なのだから。

「そろそろだから待ってって。」

そろそろ僕の家に着く。そろそろ僕の腕が彼女の蹴る力に負けてほどけ、彼女を開放してしまう。

それはとてももどかしい。
この萌えっ的な感覚をもう少し味わっていたい自分がいる。


「うわっ。」


じたばたできないように。抱えなおした。荷物を担ぐような持ち方。
色気のかけらもないし、不審者として通報されかけない・・。
まあ、どうせ彼女に狩られる命だ。まっいいか。


「大人しくしててねー。」


そういうと途端に大人しくなった彼女を不気味に感じたため、僕は大人しくしなかった。


「ねー、なーに考えてるの?」


「いえ、殺されるかと思いまして。」

「はぁっ!?」

Σ(・ω・ノ)ノ!Σ(゚Д゚)\(◎o◎)/!(;゚Д゚)(゚Д゚;)(◎_◎;)(+_+)(@ ̄□ ̄@;)!!


僕の驚き加減はうまい具合に顔文字が表現してくれた。