言わせた感は拭えないが、待ちに待った瞬間に頬が緩んでいく。

道行く人達がチラチラと見ていくなか、
抱きつく彼女の髪にキスを落とし、俺は彼女の耳側で囁いた。

『待たされた分だけ愛してやるよ』

ボッと頬を赤くする美咲が恐る恐る見つめてくる。

「……あの……やっぱりずっと我慢させてたんだよね」

我慢⁈

なんの我慢かいまいち理解できないが、ずっとキスだけで寸止めしていたから我慢していたというのは間違いじゃないよな⁈

「……あぁ、だからもう、嫌って言わせないからな」

目を潤ませ覚悟を決めたように頷く彼女の手をぎゅっと握りしめ、マンションへと急ぎ足で向かった。

逃げないように部屋の中へと先に彼女を誘導して、背後から抱きしめる。

「……大河…お腹空かない?ご飯作ろうか?」

緊張でカチコチの彼女の精一杯のかわいい抵抗。

以前ならキス1つで解放してあげていたが、今日の俺はもう無理。

「空いた…美咲が食べたい」

下手なセリフに思わず恥ずかしくなり顔が赤くなるが背を向ける美咲に見られなくてよかったとホッとする。

だが…首まで真っ赤になる美咲には殺し文句だったようだ。

赤く染まるうなじにキスを落とし、唇を這わせる。

小さな声をあげ身をよじろうとする美咲の頭を押さえ、耳朶を啄み舌先で小さな耳の形をなぞっていけば、ビクッと体が震える美咲。

体の力も抜け、抵抗する気が失せたように体重をあずけてくる。

耳に唇を這わせ

『好きだ…大事にするから美咲の全部をちょうだい』

腰が砕けたのか、崩れる美咲を抱きあげ寝室へと向かった。

そして、彼女をベッドに寝かせ安心させるよにたくさんのキスを落として服を一枚ずつゆっくり脱がしていく。

初めて触れる彼女の胸の膨らみを手のひらに感じ、滑らかな肌を堪能すればかわいく声をあげ感じてくれている美咲が愛しくて身体のいたるところを愛撫して印をつけていく。

そして時間をかけ何度も彼女を感じさせて極みに達するまで追い込んでいく己の偏愛に自笑せずにいられない。

そして今、俺の下で力の入らない体で痛みにたえる彼女の表情になんとも言えない征服感で心が高ぶっていた。

ゆっくり、ゆっくりと体をつなげひとつになった瞬間

我慢していた分、制御できない己に叱咤しつつ欲望のまま彼女を抱いていた。

涙で嗚咽してもうダメと叫んでいても、性に目覚めたばかりの男かよと自笑し、何度も欲情する度、彼女を貫く。