えっ…

予想外の反応に驚きつつもすぐに根をあげるだろうと思っていた。

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カフェ&ダイニングバー

【コンフォルト】


「ふーん、それで2人してギクシャクしてるのね」

森井さんは、片肘をついてビールジョッキに口をつける。

「…はい」

「せっかくお互いの気持ちが通じたのに、社長は何を考えてるのかしら?」

「そうね…2人を見ていて焦れったくて早くくっつけばいいのにって思ってたのに、くっついた途端、放置プレイなんて性格悪いわね」

「百合子さん、ほ、放置プレイなんて…」

『「あははは……」』

赤面する私を見て2人とも笑い出した。

「かわいい…美咲ちゃんの反応いいわ。社長がいじめたくなるのもわかる気がする」

「えっ…私、いじめらてるんですか?」

「違う意味でよ。好きな子ほどいじめたくなるっていうあれよね…きっと」

百合子さんが断言すると森井さんもすかさず大きく頷いた。

「でも、いくら溺愛されているといっても、さすがに1カ月近くもこの状態じゃ、美咲ちゃんも心穏やかじゃいられないわよね」

「……はい…私が折れればいいだけなんですけど、あっちの思い通りになるのも悔しくて、何かきっかけがあれば…」

「きっかけね⁈……来週の船上パーティーがあるじゃないの」

百合子さんの張り上げる声に反応して、
ニヤッと笑う森井さん。

とても悪い顔してますけど…

「…それでですね、今日、こっちが女子会なら、向こうは男子会をしているんですよ」

「それで?」

「社長の機嫌が日に日に悪くなってみんな被害被っているんですよ。でも、1番の被害者って天宮くんじゃないですか⁈」

「……」

すみません、皆さんにご迷惑おかけしてるんですね。

「その話と船上パーティーとどんな関係があるの?」

百合子さんはじれったいのか、前のめりになり次の言葉を急かす。

「もう、百合子さん焦らないでください。それで、副社長の提案で会社の宣伝も兼ねて2人を仲直りさせようってことで、今日、天宮くんがわざと社長を炊きつけるんですよね…うふふ」

「なぜ、天宮くんが出てくるんですか?」

「えっ、それはね…美咲ちゃんには教えてあげない。百合子さん、耳かしてください」

百合子さんに耳うちする森井さんと、途中からニヤッと笑う百合子さん。

「あははは…、それは、どうでるか楽しみね」

「でしょう⁈…」