「では、おやすみなさい」

「おやすみなさい」

腹の探り合いをしながら不敵に笑う俺たちは、お互いにお辞儀をしてそれぞれのドアを開け部屋に入った。

買ったばかりのソファの隅に鞄を置き、溝口さんと交換した名刺を手に持ったままネクタイを緩め、キッチンにある冷蔵庫を開けるとビールの缶を1つとった。

プルタブを開け、名刺を見ながら隣の住人に向かって缶を掲げる。

「これからよろしく…お兄さん」

ふふふと笑いが出る。

あなたをお兄さんと呼ぶ日が待ち遠しいですよ。

ビールをゴクゴクの飲み、これから美咲を堕とす手段を考える。