「あ!!」 そう、知冬が叫んだ瞬間泰樹は走り出していた。 水野さんの小柄な身体ににつかない、大きなバックを抱えて―・・・。 バックから、黒い袋を出した。 「・・・え?」 その袋の中身をまき散らそうとした瞬間――・・・。 「・・・・・・、何、やってるの?」 「・・・・!」 「泰樹!!」 泰樹が、水野さんの手をしっかりと握りしめて袋を取り上げた。 「・・・これ、何?」 「え・・と・・あの、っ・・」 泣きかけの水野さんに、かける言葉なんかなくて。 「・・・ご・・ごめんなさい!」