ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『あの…こんなにお祝いしてもらってありがとう、ただ…こっから重大な報告があります…若い時からやんちゃでコテコテなヤクザでした、苦労も計り知れない程…その罰を受けたのかも知れない、内の旦那…癌です、しかも末期で余命3ヶ月です』


店内はどよめいた。ぼくもびっくりだ!

まさかそんなに深刻なとこまで来てるとは…


…3ヶ月。


『ふふっ、おかしいでしょ、もう3ヶ月しか生きられないのに…でもね…この人はあたしがいないとダメな人なんです、1人では何にも出来ない不器用な人なんです、ほっといたらまたヤクザになっちゃうかも…ほっといたら朝ご飯食べないかも…ほっといたら靴下も履けないかも…ほっといたらお風呂のシャンプーとリンス間違えるかも…ほっといたら…ほっといたら!ほっといたらあたしは愛する人がいなくなるかも…』


ニコニコしていた店内は泣き顔になっていた。
ぼくはどんなに未来がある結婚よりも、金を掛けるよりも、短い時間とわかっていて全力で夫婦になるこの2人の事を考えると涙が止まらなかった。

そしてあれこれ考えていた自分が恥ずかしくなり、更に自分の生き方が間違っている…そう確実に感じた瞬間だった…