ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『みんな…ありがとう…知ってる人もいると思うけど…あたしこの人と結婚した事があります…訳あって離婚したけど…結局この人がほっとけなくて…後悔もしたくなくて…』


ママは泣きながら言葉に詰まっていた。

ぼくたちは黙って聞いていた。

『ママがんばれー』

後ろの方から声が飛ぶ。


旦那さんが口を開いた。

『えー…替わって挨拶します…皆さん本当にありがとう、こいつと2度目だからちょっと大袈裟だけど、店も辞めますので御礼方々集まってもらいました。今日はジャンジャン飲んで行ってね』


1人の常連さんで2人をよく知っているという人が乾杯の音頭をとり始まった。

ママ達は一つ一つのテーブルに挨拶して廻っていた。
さながら本当の披露宴を想わせる。

ぼく達の所にも来た。


…ぼくはママに聞きたかった、聞きたかったがおめでとうという言葉しかなかった、そんな感情がママとしゃべりながらも目が潤んでくるのだ…


ワイワイとこの宴が過ぎていった…


最後にママから話があるとかでマイクをとっている。


賑やかな店内はシーンとなった。

みんなはニコニコしながらママの話を聞く。