ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『そいでさぁ、あたしねぇ、翌々考えたんだけど店買い取るのは無理、あたしには出来ない』


『んじゃどうするんだよ…』


『う~ん、ひとつ考えてんのはさぁ、昼間だけやろうかなぁ喫茶店だけ』


『ふ~ん…いいんじゃねぇーの…昼なんかお前だけやってたようなもんだからな』

『来週の土曜日に店で仲間だけで披露宴やるって』

『そうか…』


ぼくは上の空で聞いていた。

復縁する旦那は末期のガンなのだ…

ママはそれを知ってるのか…

本当にそれでいいのか…

長年育てた店もそんなに簡単に手離していいのか…

『ぶん太も呼んできなってさ、ママ命令』


『…ん、いくよ』


本当に行っていいのかな…


弥生に言っといたほうがいいかな…


弥生心配するだろうな…

ママとは姉妹みたいなもんだしなぁ…



あっと言う間に土曜日は来た。

野口も健も連れて来た。


駐車場に和人さんのベンツも止まっている。

姉さんかな。


…姉さん友達だし、なんか聞いてるのかなぁ…


『おそーぃ!もうぶん太達で最後だよ』

『あっ、そうなの…わりぃ』


40人位はいるだろうか…
店がいつもよりも狭く感じた。

ママの挨拶が始まる。