ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『あっそう言えばよ、ミンクママの前の旦那、やべえらしいな…末期だってよ、肝臓』


『マジすか…』


『おう!調べさせたよ、もう3年位前から何回か手術してるらしいぞ』


『…』


『あの旦那も元々はスジ物だかんな…悪さが過ぎたんかもしんねぇな…』



金を返して部屋に戻る。


まだ弥生も健もいた。

『お疲れっすぅ』


『おう、来月から給金上げてやれんぜ、健』


『ありがとうございます!』


弥生にはまだ話さないでおこうと思った。
人一倍心配性なのだ。



それから2日目の夜。


弥生からの電話だ…

『今日さ、ママから呼び出しあって店行ったんだけどね…やっぱり辞めるって…ミンク』

『そっか…』

『ママ復縁するんだって元旦那と!』

『えっ!マジかよ!』

『うん、んでねあたしに店売るからやってほしいって言うのよ…元旦那も来てさぁ、是非残して欲しいって2人して言うのよ…あっ長くなりそうだしそっち行くよ!』

『あっそう、来るときタバコ…』


玄関が開いて弥生が入って来る。

『はやっ!』

『はい、タバコ!なんかそんな感じがして買っといたよ、ビールビール』


…超能力者かよ…