ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

残り一個になったイチゴにフォークをさしながらぼくは言った。

『いや、そんな根性ねぇっすよ』

『ふんっ…いつもそうだな、てめぇは…』

『…』

『ヤクザは根性でやるもんじゃねぇよ!今時…、ここだよ!ここ!』

頭を人指し指でつつきながら和人さんは言う。
正直この人が言う事かね…そう思いながら奥のキッチンの方に目をやる。

姉さんが舌を出しながらニコニコしていた。
2時間位しゃべって部屋に帰った。

また酒を飲む。

和人さんにゲーム屋をやらないか、という話を持ちかけられた。

しかも目の前に1千万積まれて…

いつの間に景気良くなってたのか…

姉さんが言うには木更津の島は、今和人さんがまかされているらしい。
シャブも止めたとか…
だが、和人さんに世話になるのは抵抗があって、即答はできなかったのだ。

酒を飲み、また寝てしまった…

何時間経ったのか…
トイレに行き、小便を垂れ、冷蔵庫からワインをだす。

テラスにあるイスに座り、ワインを飲む。

空は明るくなり初めていた。

飲みながら眺める先に工場の煙突から煙りが出ている。

…こんな時間でも働いてる奴らがアソコにいる…

こんなに寒いのに…