ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

取りあえず留守電にメッセージを残し、ぐっさんからは連絡待ちだ。
健に電話を入れる。

『健、コッチに来てるやつらは適当に休ましちゃって、お前ニューベガスの方見てきてくれ!』
『了解っす!』

ぼくは木更津駅前のベガスに向かう。

ミンクの前を通ると、表で弥生が花に水をやっていた。

ぼくは車を停めて窓を開けて、声を掛けようとした時、弥生が気付いた。

道路の向こう側で弥生が『お茶でも飲んでったらー』
『…いや、急いで向こう行かねぇといけねぇから…』

ぼくは木更津の方を指さし言った。

『出てきたばっかなんだからぁー、派手に動かない方がいいよー』
更に、

『慌てる子泣きジジィは貰いが少ないって!』

…子泣きジジィって…
ぼくはそのまま窓を閉め、手を振り車を走らせた。

走りながら考えていた。たしかに慌てても仕方の無いことだ、他の打ち子からは連絡はない。

無いって事は問題も特には、無い、と言うことだろう。

また、健から電話がなった。
『どうした?』
『今ニューベガスの前でぐっさんに会いました…』
『ん?なんか言ってたか?』
『いえ…店の前だったし…』

なにか言いたそうだったが…