ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『ぶん太!』
『ぶん太ってば!朝飯できてるよ!いつまでも寝てんじゃねぇーよ』

…そうか…
ソファーから起き上がり、昨日の夜中の事を思い出していた。

『あのさー酔っぱらっているとはいえさ、ソファーで寝ることはないんじゃないの!』

ぼくは黙って歯を研いていた…

いい匂いがキッチンからしてくる…

『アタシの事、ヤったでしょ?』

ヒゲを剃る。

結構豪華な、というか普通の朝飯なのか…
ハムエッグ、鮭、おしんこ。

朝飯を食い終わって、弥生とマンションのエレベーターを降りる。
『玄関の鍵くらい閉めときなよ…まともな仕事してるわけじゃあるまいし…』

車に乗り込む。
『昨日はどう?忙しかったか?』

『んー…それなりかな…』

『ママ、いつまで休むの?』

ママの実家はたしか福島だったな…
『んー、わかんない、でも母親だしね…1週間位は休むんじゃないかなぁ』

昼間のミンクも任されている弥生を店に送り届ける。

その足でベガスⅡへ向かうつもりだった。

…向かうつもりだったが、その足は健からの電話で止まる。

『ぶん太さん…どの台にもロムが入ってないすね…』

ん?
ぐっさんに連絡だ。