ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

《…ぶん太?朝ご飯できてるよ…》

《ぶん太…遅刻するぞ》

…夢か…
何で弥生なんか夢の中に…
ベットに起き上がり、いつも用意してある冷たいお茶を飲む。

玄関が開いた音がした。

ドカドカ足音と同時に玄関、廊下、そしてぼくの部屋の電気をつける。

何時だ。
眩しい。

『おー!ぶん太ー、この弥生様の為に起きててくれたんかいー!明かりまでつけてくれてんじゃーん!』

てめぇがつけたんだろうが…!

『ん?お茶まで用意してくれちゃって!』

用意なんかしてねぇーて…
ペットボトルのお茶をグビグビ音を鳴らしながら飲んでいる。

『はぁーうまい!んじゃーなっ』

そう言って、ぼくのベットにイビキをかいて寝てしまった。

恐らく、ママが休んでいる間、店を任されて気合い入れすぎて呑みすぎた…そんな所だろう。

なんでわざわざ君津から木更津まで…タクシーで来たのか…?

取りあえず、弥生を着替えさせる。

幼馴染み、とはいえ女を下着1枚にするのはドキドキする。

着替えさせてもらっている癖に、『触んじゃねぇーよ、金とるぞー…』

またイビキかいてる。
ぼくはこの日、ソファーに寝る羽目になった。