ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

海岸通りのコンビニ。
『弥生、ほらっ』
『…っていうか、なんでビール?』
『…んー…パクられて中にいた時から、出たらまず飲もう!って思ってたんだよなぁー』
弥生は仕事以外では、絶対と言っていいほど飲まない。

飲まない事は知っていた。
知っていたがシラフで弥生と海…

漫画とか映画とかドラマでしか見た事ねぇな。

弥生は缶ビールをあけ、半分位をグビグビあける。

ちょっと意外だ。

仕事での飲みっぷりは大したもんだが、仕事と同じ飲み方だ。

ぼくも缶ビールを一気に飲み干す。

弥生も残りの半分をまたグビグビと。

『2本しか買ってきてないの?』

今度はアタシがかってくるよ、と今度は弥生がコンビニへ。

その間に携帯が鳴った。
健からだ。

打ち子の中の一人である。
ぼくが一番信用している後輩。
『ぶん太さん、1人、店員に事務所連れて行かれたらしんすけど』『どこでっ?』
『ベガスⅡっす』

ぼくは詳しい事を聞き、ぐっさんにすぐ電話をいれる。

ちょっと心配だが、ぐっさんが上手くやってくれるだろう…

『お待たせー』

弥生が帰って来てビックリ!

でっかい樽のビール2本と紙コップを買ってきた。