ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『腹痛かったんじゃねぇの?』


『タンス見ないでよ、あたしの下着とか見たっしょ?』


『興味ねぇよ!』



っていうか見たけど…



翌日
午前中仕事をサクサクこなし、残りは野口に頼んだ。


弥生と2人でさつきの墓参りに出かけた。



墓にはさつきと生まれる筈であった子供の戒名が彫られている。


ぼくはあの時の健の顔を思い出していた。


『花も綺麗だし水も取り替えてある…健ちゃん来たかもね…』


『うん、やっぱりあいつは外道ではねぇよ…絶対誰かが絵書いてんな…』



ぼくらはそれからさつきの実家にも行って、線香をあげさせてもらった。


健はさつきの実家には来てないようだ。
さつきの母親の話によると、健は父親に良く想われてなかったらしい、籍をいれるのも最後まで反対されていたようだ。
そして最期があの事故。


あんな奴と一緒にいるからこんな事になったのだ!そう思っているそうだ。


健がここには来てない理由はわかる。



帰り道の車の中で弥生が行っていた。


『ぶん太…健ちゃんは戻ってくるような気がする』


『…微妙だな』


実はぼくもそんな気がしていた。



携帯がなっている。
野口だ。