ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

弥生と健の事で話していた事が耳にはいったのか、マスターが近寄ってきた。


『何?健ちゃんどっかいなくなっちゃったの?』


ぼくは大体のいきさつをマスターに話した。

マスターは知り合いにも声をかけとく、と言ってくれている。


『マスターも昔のツテで結構顔広いんだよ』


『ふーん…どおりでうさん臭い感じがするよな』


『うさん臭いはないっしょー、ぶんちゃーん』


正直同じ匂いのする人である事は感じていた。


あとは家に帰るしかない。
特に用事もないし。

何故か弥生の分まで払う事になった。


マスターに健の情報をよろしく、車にエンジンをかける。


助手席のドアが開き弥生が乗ってきた。

『フフッ…マスターに車置いてくって言ってきた!』


『フフッじゃねぇよ…帰れよ』


『あっ、イタタ、お腹痛い…とりあえず車出して』


…なんのこっちゃ。


部屋に着くと、また勝手にシャワーを浴び、マイバスローブを着て、冷蔵庫からビールを出し…


ブシュッ!!

『あ~美味い!』


『お前いつのまにかそんなガウンみてぇなの持ち込んでる訳?あと、俺のタンスの上から二番目?弥生ちゃんって書いちゃてあるし…』