ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

あとはどう生かすかがぼくの舵の取り方しだいだろう。


咲希が来た時から早いもので半年近くになる。


健がひとつ大きな商いをもってきた。


とある中小企業の社長だ。


500万の融資。


連帯保証人もいる、担保もある。


下調べも十分だ。


最悪飛んでも大丈夫だろう、回収する自信はあった。



最終的な金の受け渡しと契約には健に行かせた。


『ぶん太さん、ミンクで待ち合わせなんでもう行っていいすか?』


『そうだな…健、もし飛んだらこうなんぞ!って事、やんわり教えとけよ!弥生、金持たしてやってくれ』


弥生が銀行の封筒に入った500万を渡す。

『マスターによろしくね』



今、ミンクは弥生の知り合いの人が経営している。


なかなか個性的なおっさんでコーヒーと沖縄の三線が大好きという人だ。


話も上手で、もう何年もマスターをしているような錯覚におちる。


外は既に20日以上続いている真夏日だ。


この暑い中、健は出掛けて行った



『ぶん太?日掛けの方も2人じゃもう無理だよ…こういう時野口君1人になっちゃうし…』


『そうだな…どっか探してくっか、使えそうな奴』