ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

咲希は残りすべてを弥生に任せ、挨拶も無しに帰った。



とりあえず電話する。



『おぉっ、高島ぶん太君!黙って帰ってもうてすまなんだなぁ、弥生ちゃんいてくれたら安心や、頭もそこそこキレるし、器量もええ、なによりぶん太に惚れとる、大事にしたってや』


惚れとる…?


何言ってんだよ…なんにも知らねぇクセに。



『あっ!そういえば請求書、咲希さんから』


請求書?


ん?


交通費…


システム料…


パソコン機器一式…

セットアップ料…


人件費…


585200円…


『ちゃっかりしてんな…しかもぼったくりだな…』


『でも大分抑えてるって、咲希さん』


『…』


『高いか安いかはコレから解るってさ!あとホームページ作ってあるんだよ、振り込み融資の手続きが明日から始まるから忙しくなるよって言ってたよ』


ホント…あいつ何なんだろう…



翌日からだ…本当に忙しくなった!


弥生もフルに動き、新規のお客の対応に飯を食う暇もないくらいだった。


同時に商売人相手の日掛け融資も始める。

名義も借り、表向きは優良消費者金融である。



順調に利益率は上がる、という手応えはある。