ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

いつの間にか寝てしまっていた。



気が付くと外が明るくなっている事はわかる。


何時だ…


9時!



そうか…

日曜日だ…

だから誰も来ないのだ。



歯を磨いていると玄関の鍵を誰かがガチャガチャやってる。

もちろん合い鍵を持っている人間は1人しかいない。


『あれ?起きてたの?日曜だってのに』

『…』


『なによ、微妙にビックリ顔じゃん…何しに来たの?って顔してんじゃん、やりチン男』


『やりチ…あのな…お前には関係ねぇってば!何しにきたんだよ』


『やっぱり聞いてる…新入社員だよ』


『は?誰が?』


『はい!履歴書』


ちゃんと書いてあった。

名前もちゃんと幸子になってるし…


『どーしても!って咲希さんが』


『は?咲希が…』


経理を弥生にやらせる事を頼みに店に来たらしい。


なんでまた咲希が弥生に。


『咲希さん…いい人だったよ、本気で応援してるね、ぶん太の事、疑いたくないけど…経理が怪しいってさ、だから目を光らせといてって』

『…採用するよ、但し3ヶ月は見習いな』


『よろしく』