ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

そして、咲希から提案が出される。

咲希が大阪でやっている飲み屋や風俗店などに貸し付ける日掛けの金貸しだ。

これをやらないか?という。

まだこの辺でやっている者はいないようだ。

金利は貸し金に対して15%


一見普通のローン並みだが日掛けで返すのだから年利にするとかなりの高利だ。

『中途半端な事やってもあかんわ、とるなら取らんと、一般客は机の上のやりとりと電話とパソコンで十分や、兵隊さんは業者の回収に回すんやね』


そしてこのやり方のノウハウをとことん聞き出した。

この行動力と説得力には驚かされる。


この女はいったい…

会長の所に金融免許をもった者が名前を貸してくれるらしい。

モグリでもなくなる。


『追い込みだけは…ケジメつけなぁあかんやろ、ぶん太くんは甘いねんって…』

『…』


『腎臓でも売ったらええんとちゃうかぁ?言うのはホンマやで、実際売れへんけどね』


この女がどんどん解らなくなっていく。
ぼくもその程度の覚悟はあって商売を始めた。


しかし…周りは変わり始めていた。

更正の余地があった。


だから大阪に行ったのだ。


咲希はその後ビックリする事を言う。