ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『え? 今晩ですか?』



ぼくは同じ飛行機の便を取ってもらった。

なんか、結局成果無しかよ…


そう考えながら帰るまでの時間、昨日のサラ金屋の近くまで来ていた。


一台の軽自動車がクラクションを鳴らす。


ぼくの方を見て手を振っている。


『なぁ、一緒にご飯でも食べるかぁ?どうせヒマ人やろ!』

サラ金のネェちゃんだった。


帰るまで時間もある…



『焼き肉でも食べへん?』


『あぁ、何でもいいよ…』


『よっしゃ!ほなめっちゃめちゃ美味い店連れてったるわ』


あるお笑いタレントがやってるという焼き肉屋についた。


『なんでおっちゃんと一緒におったん?』


『…殺されかけた』

『へぇ~…』


『へぇ~って…殺されかけたんだぞ!』

『それはえらい気に入られたもんやねぇ』


『は?』


『うちも殺されかけたんよ、めっちゃ怖がった…』


なんでまた…?
見た目普通のOLだけどな…

なんかあぶねぇ事してんのか?


『こんなゆっくり昼飯くってて大丈夫かよ?怒られねぇの?』


『怒られるぅ?誰に怒られんねん?ウチ1人しかおらへんのに…』


『え?1人?』