ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『おぅ!なんや、もう帰るん?』


え?

おっさん知り合いかよ…


『あぁちょっと気晴らしに一杯飲みに来ただけ…ごめんなぁ、おっちゃん連れがおるから声かけんかったんよ…』


『ほんまかぃや、嫌われたんちゃうか?どや、稼いどるか?』


『あれ?今日来た人とちゃうん?おっちゃん知り合いなん…』


『なんや、兄さん金無いんかいや、それともパトロールか?』


『いや…ちょっと気になって…』


彼女は帰っていった。
会長はその後野球の話に変わっていく。

もっとも、ぼくは野球にはあまり興味は無いのだが…


タクシーでホテルに戻る。


携帯の電源をいれると送られていたメールと留守電が何件も入っている。


…弥生と健だ。


健に電話する。


『あぁーっ!ぶんさん勘弁してくださいよぉ、弥生さん最近荒れてんすけど…』

…健といろいろ話しているうちに弥生からの電話だ…


『健…噂をすれば弥生だわ、ちっと切るぞ』



『ぶ~ん~たぁ~、随分冷たいじゃん…』


『冷たいって…俺もいろいろ考えがあんだよ、お前酔ってんの?』


『酔ってますよ!夜店が無くなってから毎日ね!』


『…』