ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人

『にぃさん、なんや飲み足りんみたいやなぁ、もしよかったら場所変えて飲みますかぁ?』


『行きましょう!』

ぼくは夕方からで、正直飲み過ぎていたが即答した。


『よっしゃ!ほな行こか、そう言う事やからあと頼むわ』


『わかりましたけど、ほどほどにして下さいよ、明日は早ようから市場行かんと、つきだしがあらへん…』


なんかブツブツ言ってたが会長が、
『はよ行くで!』
そう言われ、残った酒を一気に飲み干し、付いて行った。


タクシーを拾い小さなバーへ行く。

タクシーの中で…


『彼女、電話したほうがエエで』


そう言われた。


更に…


『女を泣かすんは自分が死んだ時だけや、あとはあかん、泣かしたらあかんで…』


カウンターに7~8人位座れる程度のショットバーだ。


オシャレで雰囲気のいい店だった。


会長と同じ位に見えるベテランのバーテンがシェイカーを振っていた。


どことなく格好いい感じだ。


そのバーテンがマスターだった。


『久し振りやなぁ、今日はお客さん連れてきたで』


『いらっしゃい、お客さん連れて…また珍しいなぁ』


マスターがカクテルを作って出したカウンターの客