ドロップは涙味

「んーー、全体的に、何を伝えたいかが分からないね。」

「そうですか…」

自信を持って、出版社へ持ち込みに来た。

…はずだった。

「こことここ、主人公が言ってること、矛盾してる。」

う、確かに…。

「それと、ここの表現、合ってない」

本当だ。

私はだんだんと、恥じらいを覚えてきた。

「こんな作品、持ち込んだら、迷惑ですよね…」

すると、出版社の男の人は、おかしそうに笑った。

「なんでそうなるの。って、あれ?この作品、何作目?」

「あ、初めてです」

男の人は、驚いた顔をして、

「初めてでこれだけ書けたら、すごいと思う!」

と言った。

そこからは、担当をつけるなら、コンテストに応募するとか、もっともっと小説を読むだとか、そんな話だった。

私はそれだけで、来て良かったと思えた。