「……っ、何をするんだ!」
そんな私を気にする様子もなく
「浜野みちるさん。男に興味がない、ちなみに俺にも興味がないみたいだから」
そう言いながら掴んでない方の手で、私の頬をスーッと滑る手にゾクリと背筋が粟立つ。
「そんなキミに近づいてみたかったんだ」
そう言い放つ工藤椿の顔は何処か色気を放っていて、直視できない。
「……っ、」
どうしてこんなことになっている?
考えようにも頭が働かない。
自分の意志とは反して、顔が熱を持ち出す。
それは、こんなに誰かに近づかれたのは初めてだからだろう。
そんな私の様子を見て、クスクス笑いが静かな空間に木霊した。
「あははっ、顔真っ赤だよ。ね、俺に落ちちゃった?」
そう嘲笑するようなトーンの声にハッとして、思わず腕を振りほどく、そして初めて顔を見たときと同様に目の前の男を冷たく睨んだ。
「いい加減にしてっ」
出た言葉は、私のものとは思えないほど、上擦った焦ったようなもので。
自分の知らなかった自分に動揺して、怖くなってしまう。
この原因を作った当人はというと、
「いいね、自分の思い通りにならないところが面白い。 ……ね、みちる」
「人を軽々しく呼び捨てするなっ」
そう抗議するも、いとも簡単にかわされて
私に爆弾を落とした。
「俺、みちるが気になるみたい」

