そう呟いたかと思えば、私は再び工藤椿に捕らえられていた。
はっ???
慌てて工藤椿を見れば、したり顔。
そして艶っぽい声色で私を翻弄する。
「言ったでしょ、狙った獲物は逃さないって」
「……っ、騙したってこと?」
「別に。気になるのは本当だし…みちるも俺のこと好きでしょ?」
さっきから心臓の音すごいもんね、と言われて気が付いた。
私の心臓が工藤椿に服の布地を通して触れている。
何も言えない私を見て、艶やかに笑い、
ね、みちると私を呼んだ。
そして私の耳元で、ある言葉を囁いた。
それを聞いて、私は弾けたように仰け反る。
「む……無理!」
この男は……!
どこまで私を辱めれば気が済むのか。
私はまた彼から逃れようと試みたが今度は何故か上手くいかない。
「また逃げるの?」
「………っ!」
そう囁かれては、たまらない。
もう心臓が保たない。
本当に心臓に悪いことをする。
「駄目。さっき逃げられたのも正直、面白くなかったし。 さ、早く言ってよ」
言葉とは裏腹に少し優しい瞳をするものだから、私は簡単に絆されそうになる。
私の脳裏に先程の言葉が蘇る。
──みちるから、俺に告って。

