このことを蘭に言ってみることにした。
“行かないでほしい”なんて言ってくれるかな?

「なぁ、蘭。話がある」

「ん?何々〜?」

職員室から教室に帰るとすぐに蘭のところにいった。そして、彼女の細い手首を掴み屋上へと連れ出した。

「蘭、驚かないで聞いてくれる?」

「うん。わかったよ。」

「俺、留学しないか誘われた。そこで、蘭からの気持ちを聞きたい。」

「え!凄いじゃん!学年トップの人が選ばれるやつだよね?絶対行った方がいいよー!寂しいけど、留学から帰ってきて人肌むけた廉も見てみたいなぁ〜」

「本当にそう思ってるのか?寂しくないか?」

「全く寂しくないって言ったら嘘になるかなぁ〜

でも、蘭は行ってほしい!待ってるから!もう蘭は大丈夫だから」

「ん、わかったよ。」

行こうか、と言い俺たちは教室に戻った。