中学2年の夏。
「おーい!恵美ー!」
「何よ?また?」
「またはねーだろー。はい、約束してた本」
「ありがと。」
中学にも慣れ、今年も学園祭の時期となった。学校では、2日間にわたって体育部門と文化部門に分かれて行なわれる。1日目の文化部門では、1年は学年劇、2・3年はクラス劇を披露する。その為、今年は初めてのクラス劇でクラス全員が夏休みを返上して劇に取り掛かっている。今年はキャストが、足りないため音響の私と桜はキャストとの両方をお願いされていた。
「恵美ちゃーん!背景の大道具人足りないらしいから、応援頼むだってー」
「分かったー!すぐ行くねー」