無駄にでかい敷地。
無駄にでかい家。
そして、無駄にでかいクローゼット。


私の周りにあるものは、全て、無駄にでかい。


俗に言う“お嬢様”な私は、小さい頃から物に困ることなど一度もなかった。


おもちゃや絵本、髪飾り。


望めばすぐに叶ってしまう毎日に嫌気がさしていた。


そんな時だった。
奴が現れたのは。


私の前に急に現れたかと思えば、訳のわからないことを一通り言うと消えていった。


それからというもの、毎日毎日へんな魔物に襲われるようになってしまった。


本っ当に大変な毎日だったけど、今思えば、とてもありがたい出会いだったのかもしれない。