―李斗先輩は、生徒会長であり陸上部のエースである。先生、同級生、後輩、親からも人気がある。

私が李斗先輩を好きになったのは、入学式のとき。祝辞を読んでいる先輩に魅入っていたら、目が合ってしまった。その時、先輩は優しく微笑んでくれた。その笑顔に恋をした。

私も、モテないわけではなかった。入学してから、何度も告白された。他校の人から言い寄られることもあった。
容姿と家庭と友達に恵まれていた。
さらに彼氏にも恵まれた…なんて思いこんでいた。

―付き合ってからの私たちは、とっても順調だった。放課後にデートしたり、一緒に帰ったり、休みの日には映画を観たり、勉強したり…。色んなことをした。
学校でも「美男美女カップル」なんて言われて。とっても幸せだった。