ヂリヂリヂリヂリ…。
「あー!うっせぇな」
日曜の朝8時。目覚まし時計に起こされてイライラしてる。
今日は、竜ってやつが女を紹介してくれるらしい。竜の誘いは断れない。唯一の理解者だから。多分、竜は俺のためになんだろうけど、女なんて面倒くさいだけの生き物。くだらない。
ピピピピッピピピピッ…
乱れたベッドの上で携帯が鳴ってる。竜からだ。
「もしもし?」
『あ、もしもしー?宏太ー?もしかして、今起きた感じ?不機嫌そうだもんなー』
ギャーギャー、一人でよくこんなに喋れるな。
「ん、で?用はなに?」
『もう、宏太ってば冷たいなー。てか、今何時だと思ってるのさ!待ち合わせの時間過ぎてるよー』
「はぁ?」
8時に目覚まし時計をセットしてそれで起きたはず。余裕あるはず。
『今、1時だよー?もう、しっかりしてよ』
携帯の時計を見ると、1時6分くらい。
「ごめん、ミスったわ」
一応、悪いと思ったから謝っとく。
『じゃあ早く来てねー、白いオブジェの前でね』
「おう」
プツッ…ツーッツーッツーッ…
急いで準備しなきゃな。