ハッキリ言わせてもらうが、隣の席の相原は影の薄い女子だ。
控えめ、大人しい、消極的。
クラスメートとあんまり喋らないし、いつもぼっち。
特別ハブられてるわけじゃないらしいが、なぜかぼっち。
そんな相原に、野々宮が余計な声をかける。
「相原っていつも一人で食ってるよな。つまんないっしょ。一緒に食わねぇ?」
弁当を持って俺の席に来ていた野々宮が隣の相原を誘った。
親切心か。野々宮にしては善い心掛けだが、相手がマズイ。
相原だぞ?ろくに話したこともないのに最近俺とよく目が合う相原なんだぞ?
気まずいだろうが。
相原とは一定の距離を保って観察し合うのがベストなんだよ。呼ぶな。



