「俺、この子にマジだから」
不敵に笑って見せたら、大袈裟な溜息をつかれた。
「あーあ、なにそれ。こんな佑夜、見たくなかったし」
「なら話は早いな。互いに見たくもない顔ってことで、今後一切近付かないで。じゃあね」
相原の肩を抱いて廊下へ促す。
二人で教室から出ようとした瞬間だった。
「佑夜!!」
元カノの大声。
振り返ったら、泣きそうだけど怒ってるような照れてるような――複雑な表情で頬を赤らめた先輩が叫んだ。
「好きだった!!」
俺に真っ直ぐぶつけられた想い。
「…サンキュ、先輩」
昔の最低な俺を好きと言ってくれて、ありがとう。
けどゴメン。
俺はあの頃の自分に戻るつもりなんてないから。
相原の手をギュッと握って、今度こそ教室を後にした。



