今日は彼女の誕生日だ。

本当は2人で祝うはずだったが、急な仕事が入ってしまった。

彼女は少し残念そうな顔をして、「いいよ」と言ってくれた。

俺はほっとして会社へと向かい、彼女は家に居る…



はずだった。



目の前に倒れているのは紛れもなく君なわけで。

俺は空っぽになった君を抱いて、ただ呆然とするしかなかった。

君がトラックに引き摺られるところをみた。

手を伸ばすなり、叫ぶなり、できたはずなのに。

俺は何もしなかった。

何もできなかった。

君にはもう、会えないのかーーーーーーー?