キッチンすみれの刻印入りのミニバンが河原に到着すると、ユニフォームを着た子供達が一斉にこちらに駆け出してきた。
「わー!!弁当だ!!」
「残さず食べてね!!」
そう言ってビニール袋を渡すと子供達は満面の笑みでこう返すのだ。
「お姉ちゃん、ありがとう!!」
腹ペコの野球少年達は我先にとベンチや芝生のあちこちでビニール袋をむしり、パックを開けると脇目も振らずお弁当をかきこんでいった。
こらこら。慌てて食べると喉につっかえちゃうぞ!!
その光景が微笑ましく思えて、母親のような心境になってしまう。
野球少年達によってお弁当があらかた攫われていくと、やれやれと肩の荷が下りたような気分になってスライドドアにもたれかかっていると、保護者と思しき女性に声を掛けられる。



