持ち寄りランチなんて手軽に色んな料理を頂ける素晴らしいアイディアである。

最初に提案した人と友情の固い握手を交わしたいくらいだ。

ランチというのはOLにとって午後の仕事のモチベーションを左右する大事な要素だ。

お腹いっぱい食べたい。デザートだって欲しい。でも、お値段が高いのはダメ。社食は安いけれど、味がいまいちっていうこともある。

ランチタイムにおける悩みは尽きることがない。

最近は、栄養バランスにも気を遣っていてオシャレな社食も増えているというけれど、恩恵にあずかれるのはごく一部の人達だけだ。

社内の結束も高められる上に、美味しいランチも食べられる!!

そう考えると一石二鳥だけれど、私にとっては気が重い行事であることこの上ない。

料理下手の私にどうやって乗り切れと?

ううっと顔を覆って嘆いていると、菫さんが慰めるように肩をポンッと叩いた。

「まあ、まだ月末まで2週間もあるじゃない?これから一生懸命練習したら上手に作れるようになるわよ」

「大丈夫でしょうか……?」

「料理は慣れとちょっとしたコツの積み重ねだからね」

菫さんの茶目っ気たっぷりのウインクに私まで元気が出てくる。