「ひばりちゃん、何を作っているの?」

夜、7時過ぎ。別件の打ち合わせを終え帰社したゆりあさんは、退社せずデスクの上一杯にお店を広げていた私を見ると写真?と言いながら首を傾げた。

「つぐみ姉のお披露目会に来てくれた人のために、挙式の写真をアルバムにしているんです」

挙式はお披露目会に先んじて海の見えるチャペルで互いの親族だけで厳かに執り行われた。

マーメイドタイプのウエディングドレスを纏ったつぐみ姉は身内の贔屓目でも世界で一番綺麗だった。

この姿をゲストの皆様にもぜひお見せしたい!!

妹として列席した私が途中からカメラマンになりきって、綺麗にセットした髪を振り乱しながらシャッターを切ったのはこのアルバムを作るためである。

ウェルカムボードの隣に置いてもらって、待ち時間の話の種にでもしてもらえれば良いなという軽い気持ちで作り始めたのだが、これがなかなか大作になりそうな予感。

「へえ、良いんじゃない!!とっても素敵!!」

ゆりあさんは感心したように作り途中のアルバムを手に取った。

大海原を背景に新郎新婦が指輪交換している様子や、両親がハンカチで涙を拭いているところなどは感慨深いものがある。