暖かい優しい声が、大音量で私の脳内を揺さぶった。

もう、どうでもよかったの。

寂しくて、寂しくて、手を伸ばした先に、

ただ、あのこが居ただけ。



--あのこのうた--



案の定、着信音は鳴らなかった。

なんとなく予感はしていたけど、やっぱりショックだった。


だけど、不思議と涙は出てこなかった。

涙は流しすぎると枯れてしまうのかもしれない。

そんなことを考えながら、私は重たい体をベッドからのそっと起こす。

服や雑誌で散らかった部屋を、ピンク色の遮光カーテンから漏れる光が照らす。

今、何時だろう。時計を見るのも億劫だ。


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3日前の夜、私は大学に一番近いライブハウスに居た。