体調が悪い中、長い時間立っていたからか、数日間まともな物を食ってなかったからかわからないけど、俺は膝から崩れ落ちるようにその場に倒れてしまった。
「望月先生!大丈夫ですか?」
香山先生が玄関に入って来て俺の体を揺する。
「だ、大丈夫ですから……」
「私の肩に掴まって下さい!」
香山先生はそう言って、俺の手を掴むと自分の肩に俺の手を持って行った。
そのまま俺の体を立たせる。
香山先生に肩を抱かれる形で部屋の中に入った。
細い体のどこにそんな力があるのか?と思うくらい、香山先生は俺の体を支えてくれてソファーに座らせた。
「すみません……」
「いえいえ、いいんですよ。それより望月先生はそこでゆっくり横になっていて下さい」
香山先生はそう言うと、自分の荷物を手に持ち、帰るのかと思ったらキッチンの方へ入って行った。



