「ちゃんと食べてます?」
「はい?」
「望月先生、一人暮らしだし、ちゃんと食べてるかな?と思って……。それに今は体調を崩してるし、栄養のあるものを食べた方がいいと思うんですよね」
「はぁ……」
俺は香山先生の言ってる意味が全くわからなかった。
「スーパーで食材を買って来たんで、私、何か作りますよ?」
「はい?」
「キッチン、お借りしてもいいかしら?」
香山先生は上目遣いでそう言ってきた。
「いやいや、そこまでして頂かなくても結構です」
香山先生の言ってる意味がやっとわかった俺は全力で断った。
そんなことしてもらう義理もない。
「遠慮しないで下さい」
遠慮とかじゃなくて、とにかく俺は早くベッドで横になりたいだけで……。
正直、迷惑に思っていた。
下がっていた熱も上がりそうな勢いだった。



