「ねぇ、ゆず?」
「ん?」
「先生のお見舞いに行ったら?」
「えっ?お見舞い?」
「うん」
私は先生の家を知ってるから行こうと思えば行ける。
でも体調不良で苦しんでる時に行ったら迷惑になるだけだし……。
「先生んち知らないのに、どうやってお見舞いに行くのよ?」
私はそう言って笑った。
嘘。
先生に内緒って言われたから、それを守っただけ。
「そっかぁ……。職員室に行って先生んちを教えてくれって言っても教えてくれないかもね」
「うん。それにさ……」
「それに?」
「彼女、いるかもしれないじゃん?」
そう言った後、胸がチクンと疼いた。
先生はカッコイイし優しいから彼女くらいいるよね……多分……。



