「星を見てた」 「ゆずは星を見るのが好きだな」 涼はそう言ってクスリと笑うと、私の頭を優しく撫でる。 「なぁ、ゆず?」 「ん?」 私は涼の方を向く。 「何か、星を見てる時のゆずはいつも悲しそうな顔してるな……」 「そう?」 私は首を傾げてそう言った。 涼がジーンズの後ろポケットから、タバコを取り出す。 それを口に咥えて火をつけた。 タバコの煙がユラユラと揺れながら空へ上っていく。