「桜井さん?」
私の背後から誰かが声をかけてきた。
突然、声をかけられた事に、私の体はビクンと跳ねる。
ゆっくり振り向くと……。
えっ?何で?
「先生……なんで……」
そこに立っていたのは先生で……。
私の胸がドキンと大きく跳ね上がった。
一瞬、先生と目が合ったけど、恥ずかしくて私は先生から目を逸らした。
「桜井さん、こんなところで何してるの?」
先生の優しくて低い声が聞こえてくる。
「えっ?あ、えっと……」
先生は担任だから私が一人暮らしをしてると知っている。
金曜日の夜に女子高生が1人でいるなんて、入学早々、夜遊びしてると思われたかな。
「なんか用でもあったのかな?」
なかなか答えない私に、先生は私の顔を覗き込むようにそう言った。
先生の顔が、近い……。
さっきよりも胸のドキドキが早くなっていった。



