「桜井さん?」
俺は桜井柚葉を呼び止めた。
桜井柚葉の体が一瞬だけビクンと跳ねる。
ゆっくりこちらを向く桜井柚葉。
「先生……なんで……」
目を見開いた桜井柚葉は俺と目が合った瞬間、目を逸らした。
「桜井さん、こんなところで何してるの?」
「えっ?あ、えっと……」
生徒の調査票に書いてあった桜井柚葉の住所は確か◯◯町だった。
最寄駅でもない駅前を用もないのにブラブラしてるとも思えない。
「なんか用でもあったのかな?」
俺は桜井柚葉の顔を覗き込むようにそう言った。
下を向いて困ったような顔をしている彼女に一瞬だけドキッと胸が高鳴ってしまったんだ……。



